『白い雪はいつまでも廻り続ける』
今は昔。吸血鬼の王子様がとある女性に恋をした。それを不気味に思った周りの人間が止めるためにその女性を……殺してしまった。
愛する者を失った王子様は、愛の渇き故に人の血を吸うようになった。その渇きは呪いとなって末裔まで続いている。
そんな悲しき王子様の呪いを引き継いで生まれた吸血鬼が私の目の前にいる。
今……飢えに苦しむ、吸血鬼が。
「ですから私は貴女の血を、愛しい貴女の血を吸いたくないのです」
苦しそうに私を見る吸血鬼は、弱々しく首を振る。
「いいから、吸え。私もアンタがそうやって苦しむ姿は見たくない」
そういって私は首筋を吸血鬼に見せるけど、彼は私に一瞥もくれずそっと傍に置いてある小瓶へ手を伸ばす。
「……貴女の血を吸うくらいなら、いっそ眠りに……」
「おい、――!」
彼はそのまま、その小瓶に入った液体を飲み……眠っていった。何度叩き起しても起きない。自然に起きるのを待つしかないの?それは一体いつになるのやら。
少なくても私の寿命以降の話になるだろう。そんな気がする。
……馬鹿な人。私の事なんて気にせず吸い殺せばよかったのに。それは、私にとっての本望なのに。
このまま何もしなければ、私は老いて死ぬ。それは、嫌だな。
……人間である以上私は長く生きれない。吸血鬼である彼とは違う。どうすれば……彼と一緒に……?
世の中には色々な呪いがある。その中には「私が私として転生する」呪いがある。
その代償は極めて大きいけれど、私にとっては何の苦痛でもない。……これで、臆病者のアンタの傍にいられるなら、構わない。
彼にそっと唇を重ね私は棺桶へ静かに運ぶ。とにかく今は、死を待とう。……来世でまた会えたら会いたい。
それから私は何度も転生し、何度も眠ったままのアンタの傍で死んでいった。何百年もずっと転生するたびアンタが眠る棺桶へ。
……そして、5度目の転生。私はこの時代で20歳となり前世の記憶を取り戻す。
あいつが眠る棺桶へ何とか向かいそっと棺桶の中を覗く。そこにはムカつくくらい綺麗な顔をして死んだように眠っているあいつの姿がいる――はずだった。
「……っ。棺桶にいない?」
それはつまりあいつが、あの吸血鬼がやっと目覚めたということだけど。……一体どこにいった?
……わからない、わたしはどうすれば、いいの?
途方に暮れた私は生まれた国へ帰る事にした。どうせこの場所には良い思い出もあるわけでもないし。……全くないじゃないが。
ちっぽけな思い出に浸っている時間は今までに沢山あったし、してきた。
思い出よりも何よりもあの吸血鬼が一体どこへ行ったかを探らなければ。
やっと見つけたけれど、その吸血鬼は私の事を綺麗さっぱり忘れていた。……何一つ覚えていない。
……それはいい、そのくらいはまだ。……私がその吸血鬼、今はジュテームと呼ぶ吸血怪人を探している間にアンタは――
アンタは別の人と幸せそうに寄り添って歩いていた。
ジュテームは私を知らない。この先知らぬまま彼女の元にいるのだろう。……はっきりいって悔しい。……けど、アンタがそれで幸せなら別にいい。
さて、ここからが本当の地獄。私が自らに課した呪いの代償。
「この先どのような事があっても、私は永遠に転生し続ける」
何をしても、私はこの世界から逃れられない。この世界にうんざりして自殺しようと、私は生まれ変わり20歳となれば前世の記憶がよみがえる。
それは、アンタの傍にいれるなら苦痛でも何でもないと選んだ道だけど。やっぱりうまくいかないね。
きっと、アンタにとって一生をかけて愛した人はあの人だけになるだろう。だから、この先アンタに出会っても、私を愛してくれることはない。
どこか、望んでいたのかもしれない。アンタが私だけを愛していることを。だからこんな無謀な賭けにでたけれど。
……こんな私には誰にも愛されず死にゆく輪廻がお似合いなの。
雪が、降ってきた。とても綺麗、だけど。私の頬を濡らすのは、慰めなのかな。
……うん、色々とないね。ああああ、こういうジュテ←主を書きたかったのだけど!
もうちょっと練るわ、あまりにも独りよがりすぎる。
意味もわからないしね!!!